
しかし、
経年劣化や
通常損耗に対する修繕義務を貸借人に負わせる特約に関しては、次の要件を満たしている必要があります。

例)賃料が相場より低くて、賃料とは別に、通常損耗の修繕費用を賃借人から受け取る必要性がある場合。

例)重要説明事項の説明の際に、特約の具体的内容(工事の項目や内容など)、工事項目ごとの概算費用について理解していること。

例)サインをするなど。
「退去するときには、カーペットの取替えを行う」と特約されている場合に、クリーニングで十分きれいになり、取り替える必要がない場合は、カーペットのクリーニングを行うという範囲で
特約の効力を認めることがあります。
[ 宅地建物取引業者による特約の説明義務 ]
原状回復に関する特約がある場合には、
宅地建物取引業者はその特約について賃借人に説明をしなければならないことになっています。
この説明を怠った場合には、
宅建業法上の説明義務違反となり、場合によっては
損害賠償義務が発生することもありえます。
[ 最高裁判所の判例 ]
最高裁判所の判例でも
「特約を結ぶことは契約自由の原則により可能であるが、特約の内容が一義的に明白であることが必要」となっています。

よって、特約部分が
赤文字で記載されており、尚かつ
費用負担の内容が具体的であった場合には特約の有効性が認められる可能性があるといえます。
[ 造作はどうなるの? ]
賃借人が賃貸人の同意を得て物件に設置した造作については、
賃借人は賃貸人に、時価で買い取るよう請求することができます。(造作買取請求権)
ただし、この権利は、賃貸人と賃借人が
特約すれば
放棄することができます。
その場合は、賃貸借契約が終了したら、賃借人は設置した
造作を撤去しなければなりません。
※
造作とは、建物に作り付けた物のことをいいます。